。日に日に戦いが過激化していく中,住民たちや,領主とその部下に加え,勇敢な船乗りたち《海の一統(アンチョークス)》,領主の忠実な僕である《石工(メイスン)》,そして人々に快楽を提供するアンドロイド《恋人たち(ラバーズ)》など,多数の勢力が入り乱れた群像劇が展開する。多くの犠牲を払いながら,ついに領主を追い詰める人々。だがそのとき。 とある惑星の植民地の内乱を描いたと思われていた物語は,無数の謎を抱えたまま,まるで予想もつかない結末を迎える。果たしてこの先,メニー?メニー?シープは,そこに住む人々はどうなってしまうのか? 1巻を読み終えたとき,誰もがそう思い,続きを渇望するはずだ。 発売後すぐに1巻を読んだ筆者もその一人で,Diablo3 Gold,読了してからはとにかく2巻の刊行が待ち遠しくて仕方なかった。そして,満を持して刊行された第2巻をいそいそと手に取り,期待と共に読み始めたところで,思わず「はぁ!?」と叫ぶことになる。 てっきりメニー?メニー,ugg 偽物?シープのその後が描かれるとばかり思っていた第2巻その舞台は,ハーブCから時間も空間もまったく離れた,201X年の地球だったのである。 ●時間も空間も超えて,その物語はどこまでも広がっていく 驚きと戸惑いを抱えつつも,2巻,3巻と読み進めていくうち,読者はようやく,これが膨大な時間と広大な空間にまたがって展開する,宇宙の一大叙事詩であることに気づくだろう。各巻はそれぞれ独立したエピソードを織り成しながらも,互いに深い部分で関わりを持ち,巻を重ねるごとに少しずつ全体像をあらわにしていく。そして完結した暁には,圧倒的な情報量を持った一つの物語として完成することになる(はずだ)。 だがその全貌は,5巻を数える今になってもおぼろげにしか見ることができず,むしろ読めば読むほどそのスケール感と世界観の豊饒さに圧倒されるばかりだ。いったいこの物語はどこに向かうのかと,1巻を読み終えたときとは別の意味で続きが気になることしきりである。 と同時に,1巻ごとに大きく趣向を変えながら描かれる,各巻の物語も見逃せない。それぞれの巻は舞台や時代が違うだけではなく,描かれるエピソードの中身までまったく別のシリーズかと思うほど方向性が異なっており,我々読み手に毎巻新鮮な驚きを与えてくれる。 第2巻『救世群』は,突如として発生した謎の疫病と,人類との悲壮な戦いを描いたパンデミックもの。地上の一角で発生した病が世界中に広がっていく様や防疫の描写が生々しく,同様の事態が現実に起こらないことを祈らずにはいられない
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